2014年に公開された劇場版「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」では、世良真澄や沖矢昴、FBI捜査官たちが初登場しました。
「異次元の狙撃手(スナイパー)」は個人的には、ここ数年のコナン映画の中で一番好きです。
というのも、この映画である真実が明らかになりました。
原作を読みこんでから見るか、全く予備知識なしで見るかで、評価が分かれる作品だと思います。
このページでは『異次元の狙撃手(スナイパー)』の内容や感想をまとめました。
ネタバレありますので、ご注意ください。
『異次元の狙撃手(スナイパー)』の内容~結末ネタバレ
ベルツリータワーで狙撃事件が発生
鈴木財閥が建てたベルツリータワーのオープニングセレモニーに参加していたコナンたち。
少年探偵団は、夏休みの宿題に東都ベルツリータワーとその周辺のミニチュア模型を作ろうとしていた。
ベルツリータワーからの景色を楽しんでいたところ、突如、第一展望台にいた男が狙撃される。
狙撃した犯人を追うコナン。
キック力増強シューズで派手に空を飛び、スケボーで車道を爆走。
ヘルメットなしぐんぐんスピードを出すコナンくん、転んだら死んじゃうよ。
車の下敷きになりそうになったところを世良のバイクに助けられたコナンくん。
世良は、探偵として狙撃された男を尾行していた。
(同級生の親戚が藤波と結婚する話があって、)身辺調査を依頼されたから。
一瞬のスキをみてコナンは犯人に発信機をつけ、FBIが追い詰めるもあと一歩のところで犯人に逃げられてしまう。
容疑者は狙撃手「ティモシー・ハンター」
FBIと警察による捜査会議で、容疑者として名前があがったのはティモシー・ハンター37歳。
彼は、元海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」の狙撃兵で“戦場の英雄”と呼ばれていた。
2005年に英雄の証である「シルバースター」を獲得したが、翌年、民間人を射殺した疑いをかけられて「シルバースター」をはく奪。
その後、敵の銃弾を頭に受けてしまい一命をとりとめたが隊を除隊。
しかし、その後もティモシー・ハンターには投資失敗による破産、妹の自殺、妻の死など不幸が続いていた。
ハンターは6年間行方不明だったが、3週間前、シアトルでブライアン・ウッズという記者が狙撃された事件の容疑者となっていた。
ベルツリータワーでの狙撃事件では、狙撃場所となったビルの屋上から4の目を示したサイコロと、空薬莢が発見された。
薬莢は、ティモシー・ハンターが使っているライフルと一致。
サイコロに関しても、ダイスゲームが好きで左腕にサイコロの入れ墨をしていたハンターと関連があるという見解だった。
殺害された被害者(藤波宏明)は、7年前ハンターに日本の不良物件を売りつけ、破産に追い込んだ人物。
ハンターが今後、命を狙う可能性があるのは3人。
- ジャック・ウォルツ …元陸軍大尉。ハンターの交戦規定違反を告発し、結果的に「シルバースター」はく奪の原因となった
- ビル・マーフィー …ウォルツの部下。交戦規定違反の証人となった人物。
- 森山 仁 …妹の自殺の原因となった、婚約破棄の相手。
警察はティモシーハンターを重要参考人として緊急手配することになった。
赤井のことを思い出すFBI
警察とFBIは、ハンターに命を狙われる可能性のある人物とは別に、ハンターが連絡を取る可能性が高い人物を3人あらいだしていた。
- マーク・スペンサー …日本在住の米軍兵の相談相手となっている人物。ハンターと直接関わりはないが、もしかしたらハンターが頼るかもしれない。
- ケビン吉野 …中東の戦争でハンターに命を救われたため、ハンターのことを慕っている。
- スコット・グリーン …狙撃スクールの教官だったため、ハンターに指導していたことがある。
容疑者が元シールズのスナイパーと聞いて、つい赤井の存在を思い出してしまうキャメルとジョディ。
捜査は難航
ハンターに命を狙われる可能性がある人物として名前があがっていた森山仁が射殺され、狙撃現場には3の目のサイコロと空薬莢が置いてあった。
さらにその翌日、容疑者と思われていたハンターが射殺される。
狙撃場所と思われる場所には、2の目のサイコロと空薬莢が置かれていた。
ハンターが狙撃された現場には、狙撃ミスと思われる弾痕があったことや、ハンターの残した日記から、ブライアン・ウッズの殺害だけはハンターが行い、それ以外の殺人は別の人物が行ったものだと考える。
次に誰が狙われるのが全くわからなくなり、捜査は難航。
日光に滞在していたビル・マーフィーのもとに速達が届く。
差出人の名前はマーク・スペンサーで、同封のチケットで東京に来るように書かれていた。
コナンは、マーフィーが浅草に向かったことを電話で聞き、浅草駅の近くで狙撃される可能性があると推測。
狙撃を阻止しようとしたコナンだったが、マーフィーは射殺されてしまう。
さらにコナンをかばった世良が撃たれてケガをしてしまった。
今回の狙撃地点に置いてあったのは5の目のサイコロと薬莢。
警察やFBIがカウントダウンだと思い込んでいたサイコロの目だったが、今回の事件でカウントダウンではなかったことが発覚した。
狙撃現場に残されていたサイコロの意味
FBIの調べで、ハンターは8年前に頭部に受けた銃弾の後遺症により、狙撃ができる体ではなくなっていた事が判明。
日常的に猛烈な頭痛に苦しんでいた可能性が高く、視力が低下し目もあまり見えなかったのではないかと。
ハンターは自分自身の射殺も含めた、復讐を真犯人に依頼していた。
最重要容疑者である自分を射殺し、捜査を混乱させると共に、次の標的であるマーフィーを油断させるために。
ハンター狙撃現場で見つかった狙撃ミスと思われる弾痕は、ハンター本人から依頼されていたとはいえ真犯人が躊躇したから。
京都にいたウォルツのもとに何者かから電話がかかってくる。
自分が狙われていると知っていたウォルツは、カルロスから武器を調達。
逆に真犯人を狙撃しようと考えていた。
少年探偵団が作った、東都ベルツリータワー周辺の模型を見たコナン。
コナンはサイコロのメッセージは二次元で見るのではなく、三次元的に見なきゃいけないものだと気付く。
同じ頃、同じようにそれに気づいた沖矢昴はある場所へと向かう。
「異次元の狙撃手」事件の真相と真犯人
次の狙撃場所がベルツリータワーだと推理したコナンは、とあるビルの屋上に登る。
そこから犯行現場を見渡し、サイコロの目の順番に繋いでいくと、シルバースターを意味する星の形が浮かび上がることを確認。
ハンターと犯人は、このシルバースターをウォルツに見せようとしていた。
真犯人はケビン吉野。
ケビン吉野は、ハンターの妻や娘の敵であり、ハンター自身の人生を狂わせたウォルツたちへの復讐を頼まれていた。
特にウォルツは、ハンターの活躍をねたんで無実の罪で訴え、シルバースター剥奪の原因を作った張本人。
さらには部下のマーフィーを使って、戦場でハンターを殺そうとした。
ハンターは、一連の犯行を通してケビン吉野を冷徹な真のスナイパーに育て上げようとしていた。
ハンター自身を狙撃させることで、腕前だけでなくどんな相手にも動じない精神力を身に着けさせた。
東都ベルツリータワーの上にいたケビン吉野は、まさに今ウォルツを狙撃しようとしていた
コナンの活躍により狙撃は阻止できたが、今度はコナンが狙われ左足を負傷。
そこでピンチを救ったのが沖矢昴。
ケビン吉野がいた東都ベルツリータワーを狙える狙撃場所は浅草スカイコートだけ。
その浅草スカイコートから狙撃出来るのは、FBIの“シルバーブレッド”だけとハンターが言っていたのを思い出す。
【衝撃のラスト5秒】沖矢昴の「了解」の意味と正体は…?
「異次元の狙撃手」では、ラスト5秒で沖矢昴の正体が明らかになります。
沖矢昴が「了解」と答えるのですが、その声は赤井秀一の声だったのです。
運悪くケビン吉野がいるベルツリータワーに上っていた蘭・園子・少年探偵団。
ケビン吉野の仕掛けた爆弾が爆破し、ベルツリータワーが停電に。
コナンは、沖矢昴の狙撃を援助するためにベルツリータワーに明かりを照らす作戦を考える。
コナンならばもう一度チャンスを作るはずと、狙撃のチャンスを狙う沖矢昴。
人質にとられていた歩美が逃げた隙に、犯人に向かっていく蘭だが逆にピンチに陥ってしまう。
蘭を助けようとビルから飛び降りたコナンは、伸縮サスペンダーとキック力増強シューズを使い、空中で花火ボールを蹴る。
花火ボールは、ベルツリータワー近くで爆発。
すかさず昴がケビン吉野の手元を狙撃し、銃を吹き飛ばす。
ここからは、蘭の空手による猛攻撃が始まる。
暗視ゴーグルをしていたため花火で目がくらんだとはいえ、元軍の隊員をノックアウトしてしまうとは…蘭の空手の威力がやばい。
事件は無事解決。
FBIのジェームズと連絡をとる沖矢昴。
「了解」と答えた沖矢昴の声は、消息不明とされていた赤井秀一の声だった。
『異次元の狙撃手(スナイパー)』ネタバレ感想 ラスト5秒で「沖矢昴=赤井秀一」が判明した映画
『異次元の狙撃手』は、ここ数年のコナン映画の中で一番好きな作品です。
なんといっても、ラストシーンが衝撃的でした。
沖矢昴 = 赤井秀一
謎に包まれていた沖矢昴の正体、赤井秀一の消息の謎が、ついに今作で明らかに。
以下のような伏線から「もしや…」と思いながら見ていた方も多いと思います。
- 「スナイパーに勝てるのは、スナイパーだけだ」というマーク・スペンサーの発言
- 「赤井さんが居てくれたら…」というキャメルの発言
- FBIのシルバーブレッド
原作でも「なんとなくそうなのかな?」と、におわせてはいましたが公言されていませんでした。
原作からの伏線が映画で回収されるという試みは初で、かなり印象的でしたし、原作ファンはあれを見て歓喜したのではないでしょうか。
ラストの一瞬だけっていうのが、また良いんですよね。
「事件解決したし、そろそろエンディングだな~」なんて気がゆるんでいたところに「了解。」という最大のネタバレ!
アニメならではの演出の仕方もさすがです。
ただ、前知識なしで映画を見た方は「???」となりますね。
原作を読んでいるか読んでいないかで評価が分かれる作品だと思います。
沖矢昴と共に映画初登場だった世良。
もう少し活躍するのかと思っていましたが、途中から入院してしまって出番はほとんどなかったのが残念です。
ちなみに後から知ったのですが、世良が泊まっているホテルのシーンでベッドがひとつ膨らんでいます。
領域外の妹が寝ている設定で、原作へとつながる伏線になっていました。
よーーーく見ないと気づかないですが。
それから、『異次元の狙撃手』の影の活躍者は間違いなく阿笠博士。
- 探偵バッジのニューバージョン
- 花火ボール
博士の発明品が大活躍しました。
ベルツリータワーの狙撃事件で、犯人追跡時にコナンが探偵バッジに「おんぼろ」と文句を言われニューバージョンを開発。
利用者の声を素直に反映させる努力は素晴らしいものがありますね(笑)
通信感度も良くなり、LEDライトも付き、モスキート音が鳴るようになっていました。
このモスキート音が後半で思わぬ活躍。
2つ目は、『異次元の狙撃手』で初登場し、その後もたびたび登場している花火ボール。
こちらもクライマックスで大活躍。
沖矢昴の狙撃を見事に援護する結果となりました。
原作をある程度読み込んでから見ないと、『異次元の狙撃手』の本当の良さはわからないと思います。
ぜひ原作を読んでから見て欲しいです。
意味がわかれば、ラストで鳥肌たちます。