
「呪術廻戦」コミックス17巻で禪院家は壊滅しました。
そこで禪院真希・真依の母親が言った「産んでよかった」の意味や、「戻れ」の意味がよくわからなかったという方も多いのではないでしょうか。
娘のことを疎ましく思っているような態度をとっていたのに、なぜ「産んでよかった」と言ったのか?
忌庫にむかう真希に「戻りなさい」と言った意味は?
など、真希母が言った言葉の真意が気になります。
このページでは、禪院真希・真依の母の「産んでよかった」という言葉の意味、「戻れ」の意味について考察をまとめました。
ネット上でも様々な憶測が飛び交っていましたが、個人的には「普段から恨んでいた禪院家&禪院直哉に復讐する機会を与えてくれてありがとう真希」という意味が込められていると思います。
※呪術廻戦17巻(152話)までのネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。
禪院真希・真依の母親が死に際に言った「産んでよかった」という言葉の意味は自己満足
直接的な描写がないので、あくまで個人的な推測ですが、禪院真希・真依の母親が死に際に「産んでよかった」と言ったのは、「真希・真依を産んで育てた自分の人生は無駄ではなかった」と自分自身をねぎらう意味で言ったのだと思います。
あくまで娘のためではなく自分のための、自分をほめる一言。
加えて、以下のような意味も含まれているのかなと思っています。
- 禪院家を恨んでいたこと
- 真希のおかげで直哉がダメージを負い、自分(母親)の手で禪院家を終わらせたこと
- 呪力がなく呪術師として身分が低かった真希(娘)が覚醒して強い呪術師になった
→強い呪術師(真希)を産んで育てたのは自分
禪院家の描写を見ているとわかりますが、男尊女卑の典型のような家系です。
加えて、双子は忌み嫌われる存在でした。
禪院家で双子を産んだ真希・真依の母が、普段どんな扱いを受けてきたかは、容易に想像できるでしょう。
禪院直哉の性格も正直クズそのものですから、普段から真希・真依の母が直哉のことを恨んでいても不思議ではありません。
死に際に、禪院家に日ごろの恨みを晴らす機会を与えてくれた真希、ありがとう…という意味で「産んでよかった」と言ったのだと思います。
以下で、もう少し詳しく説明していきますね。
1:真希・真依の母親は禪院家を恨んでいた
真希・真依の母親は、禪院家を恨んでいた可能性が高いです。
なぜなら、「禪院家は術式をもってなんぼ」という考え方だったので、
- 術式を持たない真希を産んだこと
- 忌み嫌われていた双子を産んだこと
を考えると、真希・真依の母親は禪院家の中でも虐げられていたのでしょう。
つまり、日ごろから自分のことを虐げていた禪院家、そして禪院家の人間も恨んでいた…と考えるのが自然です。
禪院家には男尊女卑の風習が強く根付いており、呪術師であっても女性なら「スタートラインにすら立たせてもらえない」と評されるほどに扱いが悪いです。
相伝の術式を持った子どもがいれば、真希・真依の母親の扱いももっと違うものだったと思います。
特に真希は「天与呪縛」という現象のせいで人並みの呪力しか持たず、特殊な眼鏡を欠けなければ呪霊を見ることも触ることもできない有り様でした。
禪院家の中でも劣等生扱いだったのは言うまでもありません。
禪院家の風習に囚われ、娘たちを優秀な呪術師に育てる使命にすがるしかなかったという意味では母親も被害者の1人です。
2:真希のおかげで直哉がダメージを負い、自分(母親)の手で禪院家を終わらせたこと
「産んでよかった」という言葉には、自分の手で憎き禪院家を終わらせた喜びの意味も込められていると思います。
自分が産んで育てた呪術師(真希)が禪院家を壊滅状態にし、母親自身が禪院家への復讐ができたので、母親の中で2つの願いが叶ったことになります。
- 自分が産んで育てた呪術師(真希)が禪院家を壊滅状態 →自分の娘が強い呪術師になった
- 母親自身が禪院家への復讐ができた →積もりに積もった恨みを晴らせた
瀕死の直哉を包丁で刺したのは真希を守るためというより、禪院家に対する恨みを晴らしたのでしょう。
特に直哉は普段から女性を見下す言動が多く、真希の母親にも常に自分の後ろを歩かせたりと、決していい関係だったとは言えません。
直哉が初登場した際、「で、死んだん?」や「背中刺されて死んだらええ」など、真希・真依の母親がすぐ後ろを歩いているにも関わらず、真希・真依の悪口を言っていました。
直哉は刺されても仕方ないほど気持ちのいいクズです。
「三歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ」と言っていた直哉が、後ろから女(真希・真依の母親)に刺されて死んだのは最高に皮肉がきいていますね。
真希・真依の母親が直哉を狙って刺したかどうかは不明ですが、直哉を刺したいと思っていたのは事実でしょう。
直哉を刺そうと思って部屋に向かって行ったら、運よく直哉が倒れていた…というところでしょうか。
瀕死の直哉は真希との戦闘で負ったダメージがひどく、満足に呪力も練れない状態だったので、呪術師ではない母親でもトドメを刺す事ができました。
覚醒した娘(強くなった娘)のおかげで直哉がダメージを負い、結果的に自分が禪院家を終わらせることができた…という事実から「産んでよかった…」という一言が出たのだと思います。
3:呪力がなく呪術師として身分が低かった真希が覚醒して強い呪術師になった
真希・真依の母親は、優秀な呪術師を産んで禪院家で確固たる地位を築きたいと願っていたはずです。
最後の最後で「強い呪術師を産む」という願いが叶ったことに、「産んでよかった」という言葉が出たのかもしれません。
「産んでよかった」と言っているシーンでは、真希・真依の姿が描かれているので、母親が最後に思い浮かべたのは真希・真依のことだった可能性も少なからずあります。
真希は覚醒して強い呪術師になりましたが、真依の存在があってこその強さです。
双子ではなかったら…真依がいなかったら…真希があそこまで強くなることはありませんでした。
真希は真依のことを、真依は真希のことを一番に考えていた、2人の想いの強さが今の覚醒した禪院真希を生み出したのです。
母親がそのこと(真依がいたから真希が覚醒したこと)に気づいていたかは定かではないです。
しかし、結果的に真希が強くなったから、強い呪術師を産んだ自分の人生は無駄ではなかったという気持ちから「産んでよかった」という言葉が出たのかもしれません。
禪院真希の母が忌庫の前で「戻れ」と言った理由
第148話では忌庫に向かう真希に向かって、母親が「戻りなさい」と言っている描写があります。
この描写は、一見すると「忌庫には既に父親がいて、真希と真依のことを殺そうとしているから行かないで」という意味にもとれます。
しかし、「戻れ」の本当の意味は「これ以上、禪院家での自分(母親)の立場を悪くしないで」という、あくまで自分の保身のための一言だと感じました。
禪院真希や母は忌庫への立ち入りを禁止されていたため、娘(真希)がその掟を破ると母親が尻ぬぐいをしなければならないと思ったのでしょう。
去り際に言い放った「一度くらい産んで良かったと思わせてよ…真希」というセリフからも、娘の行動に対してうんざりする気持ちが読み取れます。
母親の気持ちとは裏腹に、真希は母親の言った「戻れ」に自分たちを心配する意味が込められているのではないか、と期待したのだと思います。
第152話では、母親が言った「戻れ」の真意を問う真希の描写がありました。
真希:あの時なんで「戻れ」って言ったの?
母親:…? ……?? 何の話?
(引用:呪術廻戦 第152話「葦を啣む ー跋ー」
母親は取り乱していて、真希が期待する言葉は返ってきませんでした。
それどころか、自分が言ったことすら覚えていないことに真希はあきれたのだと思います。
「戻りなさい」と言ったことすら覚えていないことから、母には娘を心配する気持ちはなかったと解釈できます。
真希も同じように解釈し、母親を手にかけたのでしょう。
【まとめ】禪院真希の母が言った「産んでよかった」「戻れ」には自己満の意味が込められている
禪院真希・真依の母親が死に際にのこした「産んでよかった」という言葉には、禪院家への恨み、自分へのねぎらいの意味が込められていると思っています。
具体的には、以下のような気持ち。
- 禪院家を恨んでいた
→真希、壊滅してくれてありがとう - 禪院直哉にとどめを刺せた
→真希のおかげで直哉がダメージを負い、自分(母親)の手で禪院家を終わらせたから、ありがとう - 呪力がなく呪術師として身分が低かった真希(娘)が覚醒して強い呪術師になった
→強い呪術師(真希)を産んで育てたのは自分
加えて、「戻れ」と言った理由も自分の保身のためだと思います。
「娘にこれ以上迷惑をかけて欲しくない」「命令に背いてこれ以上、禪院家での自分の立場を悪くしないで」という意味合いではないでしょうか。
もしかしたら、娘たちへの想いも込められているかもしれませんが、直接的な描写がないので想像の域です。
呪術廻戦は、あえて直接的な描写をしないことが多いです。
直接的な描写をしないことで、読む人によって色々な捉え方ができて面白いなと思います。
ただ、娘たちにとって良い母親だったら、たぶん真希に殺されていないはずですよね。
となるとやっぱり、真希にとっては良い母親ではなかったということです。
真希・真依の母親は禪院家の悪しき風習に振り回された人生を恨んでおり、禪院家&次期当主候補・直哉を殺す事で復讐を達成し、死ぬ間際にやっと報われた…と考えると自然ではないでしょうか。
客観的に見ると禪院家そのものが最悪の家系なので、悲しい結末ではありましたが、真希が禪院家を壊滅させたのは正解だったかもしれませんね。